【野球】巨人　菅野のポスティングでのメジャー移籍容認へ　球団生え抜き選手で初、残留も選択肢

巨人が菅野智之投手（31）の今オフのポスティングシステムでのメジャー移籍を容認することが25日、分かった。猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で来季、メジャーが正常開催できるかは不透明な状況だが、菅野自身の希望を尊重する可能性が高い。8年ぶりの日本一奪還を目指した日本シリーズは2年連続の4連敗で敗退。今後は米国内の情勢も注視しながらチーム残留も含めて慎重に話し合いを進める。　

　菅野に今シリーズ2度目の登板チャンスは訪れなかった。第1戦は千賀と投げ合い、6回4失点で敗戦投手。「次のチャンスがあると思うので、それに向けて調整します」と、中4日で第5戦に向かう準備を進め、3連敗の崖っ縁となったこの日はベンチ入りし、ブルペンで投球練習も行った。しかし、チームは2年連続でソフトバンクに4連敗。エースは球団初の屈辱をかみしめた。

　今季は腕から始動する新フォームで、プロ野球史上初となる開幕投手からの13連勝を記録した。14勝を挙げて2年ぶり3度目の最多勝、自身初の最高勝率を獲得。2年連続リーグ連覇の最大の功労者となった。球団は本人が希望すれば、生え抜き選手としては、初めてポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を容認する構えだ。

　山口寿一オーナーは昨年11月、メジャー移籍に関しては海外FA権の行使が基本である方針を示した上で「個別のケースに関しては（ポスティングを）検討していく余地は出てくる」と柔軟な姿勢を見せた。11年ドラフトで指名された日本ハムに入団せず、12年は浪人生活を送ったことも考慮。「1年を棒に振ってくれている。その分、海外FA権を取得する時期が後にずれているという事情はある」と理解を示した。

　ただ、大リーグは今季、新型コロナウイルスの影響により無観客での60試合にとどまった。来季も正常開催できるか不透明。日本に比べて依然、感染も拡大しており、米国内の情勢を慎重に見極める必要がある。球団は本人の希望を最大限に尊重する方針で、最大のネックとなっているメジャー開催試合数など動向を注視しながら、話し合いを進めていく。

　昨オフは山口（現ブルージェイズ）が、球団史上初めて同システムを利用してメジャーに移籍。同年まで一貫して同制度を認めてこなかったが、時代に合わせて柔軟に対応。16年オフに山口をDeNAからFAで獲得した際に利用できる権利を契約に盛り込み、投手3冠で5年ぶりのリーグ制覇に貢献した右腕の夢を後押しした。

　菅野が将来的なメジャー挑戦を初めて公言したのは17年12月。新型コロナの特殊な状況下であることを加味しながら、チーム残留も視野に熟考を重ねる。

　◆菅野　智之（すがの・ともゆき）1989年（平元）10月11日生まれ、神奈川県出身の31歳。東海大相模から東海大を経て、12年ドラフト1位で巨人入団。1年目から先発の一角を担い、17、18年に沢村賞。19年にCS史上初のノーヒットノーラン。今季10月6日のDeNA戦でプロ野球史上初の開幕投手13連勝＆平成生まれ初の通算100勝を達成した。最多勝3度、最優秀防御率4度、最多奪三振2度、最高勝率1度。17年WBC日本代表。1メートル86、92キロ。右投げ右打ち。

11/26(木) 3:57
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